まつもあガイド

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上高地への旅~計画準備編

国の特別名勝にも指定されている日本屈指の山岳リゾート、上高地。

北アルプスの山々や清涼な梓川をはじめとする絶景スポットが数々あり、比較的平坦な遊歩道で気軽にハイキングもできるため国内外、老若男女を問わず人気があります。

反面、上高地の気候その他現地事情をよく理解しないまま訪れていると思しき一部の観光客も。

本記事では、主に上高地へ個人手配旅行を計画している方向けに、上高地を十分満喫できるよう、現地の基本情報や旅行計画時に留意すべきポイント等をコンパクトにまとめています。

なお、より詳しい現地情報については、後日公開予定の続編「上高地への旅~ハイキング編」のなかでご紹介をする予定です。

 

 

上高地の基本情報

開山期間のある山岳地

上高地は、北アルプスを中心とする中部山岳国立公園の一部をなす標高約1,500mにある山岳地です。

晩秋の焼岳(標高2,455m)

例年4月17日から11月15日に行われる閉山祭までの約7ヶ月間が開山期間で、同期間中は公共交通機関が運行し、上高地内の飲食店等も営業しています。*1

2026年開山祭のニュース動画


www.youtube.com

 

昼夜の寒暖差が大きく、天気が変わりやすいといった山特有の天候も特徴です。

比較的歩きやすいとはいえ、市街地のように歩道が舗装整備されているわけではないので、軽井沢などのような別荘地をイメージしてはいけません。

大正池から河童橋に向かう遊歩道

 

通年マイカー規制

上高地を訪れる上で、注意しなければならないのが「通年マイカー規制」。

美しい自然環境の保全と周辺道路の渋滞緩和のため、自家用車で行けるのは、松本(長野県)方面からは沢渡(さわんど)駐車場まで、高山(岐阜県)方面からはあかんだな駐車場までで、現状、上高地への唯一の出入口となる釜トンネルは自家用車では通行できません。

上高地から最も遠い駐車場付近にある「さわんど大橋バス停」

最寄りの各駐車場から先はシャトルバス(先着順)*2かタクシーを利用する必要があり、終着の上高地バスターミナルまでの片道移動は渋滞等がなければ約30分。

上高地行きのシャトルバス(概ね30分間隔)

ただし、多くの観光客が訪れる夏休みのお盆前後、紅葉シーズンの週末といったハイシーズンにはバス乗り場(特に沢渡駐車場便)で1時間以上の待ち時間が発生することも珍しくありません。

時刻表上、沢渡駐車場行のシャトルバスの上高地発の最終時刻は17時30分ですが、乗車しきれない観光客がいる場合には、それ以降にも臨時便が増発されます。

復路(駐車場行き)のバス待ち行列が河童橋付近まで延びることも

 

三つのハイキングエリア

上高地で登山装備の必要がないハイキングエリアは、入口から近い順に次の3つのエリアに大別できます。

  1. 大正池~河童橋エリア
  2. 河童橋~明神エリア
  3. 明神~徳沢~横尾エリア

どのルートを選択するか等で多少時間は前後するものの、1と2のエリアは概ね片道約1時間が目安(なお、3のエリアは徳沢がほぼ中間地点で、そこまでで片道約1時間目安)。

平素あまり運動をしていない方が日帰りで散策できるのは通常、明神までで、1~2のエリアの中心に位置する河童橋周辺は上高地のバスターミナルからもほど近く、ホテルやレストランも集中しているため多くの観光客で賑わっています。

河童橋のたもとにある白樺荘

なお、上高地に宿泊予定があり、自然を存分に満喫したい方は、喧騒から離れた明神より先の3のエリアまで足を延ばしても良いと思います。

 

計画・準備のポイント

現地泊の予定を決める

上高地への旅行計画において最も重要なポイントは「現地泊の予定」です。

前述のとおり、上高地にはシャトルバス等の公共交通機関を利用しないと出入りができないため、日帰りで現地滞在可能な時間は限定されます。

 

最終バス発車後の静寂な河童橋、始発バス到着前の朝もやに包まれる神秘的な大正池といった貴重な体験をできるのは上高地宿泊者だけの特権ですが、白骨温泉等の周辺観光地の宿泊料金と比べても割高感はあります。

また、上高地内の宿泊施設が少なく、河童橋付近にある設備の整ったホテルは、昨今、特に予約がとりづらい状況です。

ラウンジも人気のある五千尺ホテル

明神より先のエリアまで足を延ばす予定があれば、明神~徳沢エリアで宿泊施設を探すのも一案。

料金は相対的にリーズナブルな反面、ホテルと山小屋の中間くらいの宿泊施設が多くなるため、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、井上靖の山岳小説「氷壁」にも登場する徳澤園はおススメの一軒です。

氷壁の宿「徳澤園」

 

現地までの交通手段を決める

現地泊の予定が決まったら、次に決めるポイントが「現地までの交通手段」。

通年マイカー規制によりシャトルバス等への乗り換えがマストになること、特にハイシーズンには乗換時の待ち時間の発生や駐車場の満車リスク等もあることを勘案して、最寄り駐車場まで自動車(レンタカー等を含む)を利用すべきかどうか判断しましょう。

なお、沢渡駐車場の混雑予想日や駐車場周辺の状況を撮影したライブ画像がウェブ公開されていますので、こちらも確認してみてください。

荷物・旅行人数が多いとか、上高地のついでに周辺観光地にもドライブで立ち寄る等の事情がなければ、上高地からより離れた地点から公共交通機関に乗車(予約)する方が計画が立てやすく、現地でもスケジュール通りに行動しやすいとは思います。

新島々駅のバスターミナル

松本発着の公共交通機関としては、次の2つの交通手段があります。

  1. 松本駅~新島々駅の区間をアルピコ交通・上高地線(乗車時間約30分)、新島々駅~上高地の区間をバス(乗車時間約65分)で乗り継ぎ移動する方法
  2. 松本バスターミナル→上高地の区間を直通バス(ナショナルパークライナー・乗車時間約95~100分)*3で移動する方法

最もメジャーな前記1のアクセス方法を紹介する動画


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バスはいずれも予約優先制で、乗車日の1か月前から予約可能なので、予約開始のタイミングで予約をしましょう。

www.alpico.co.jp

 

なお、首都圏や関西圏など長野県外を発着地とする直行バスも複数ありますので、お住まいの近くから発着する直行バスを利用するのもおすすめです。

早朝に上高地へ到着する夜行バス便が利用できる場合には、1日をフル活用できます。

www.kamikochi.or.jp

 

必要な持ち物を準備する

繰り返しになりますが、上高地は標高の高い山岳地なので、山へ行くのに相応しい服装(重ね着が基本)を準備しましょう。

本格的な登山用の衣類でなくても構いませんが、着脱しやすい長袖や防風・防水性のあるアウター類は時季を問わず持参してください。なお、ジーンズのように速乾性がなく、濡れると重くなるような素材の衣類はおすすめできません。

荷物は両手の空くリュックサックにまとめてしまうのがベストです。

上高地食堂内にあるアウトドアショップの展示(初夏)

1時間以上ハイキングコースを歩く予定があるのであれば、汚れても良い履きなれたスニーカー(できれば防水性のあるトレッキングシューズ)を着用したいところです。

春先や晩秋には最低気温が氷点下になることもありますので、時期によっては手袋等の防寒具も必要です。

2023年10月6日OAの上高地ニュース動画


www.youtube.com

 

上高地では環境維持のために公衆トイレはチップ制、ゴミ箱もなく持ち帰りが基本なので、小銭やゴミ袋も用意しておきましょう。

 

さて、上記画像のイラストにも登場している近時話題のクマですが、上高地は国の指定する鳥獣保護区内にあり、もともとクマ生息地域です。

www.kamikochi-vc.or.jp

現地にも目撃情報の看板が出ています

 

今年の目撃件数では明神~徳沢エリアが多いようですが、河童橋付近でも目撃情報はあります。

観光客の少ない早朝や夕方頃に単独行動の予定がある場合は、クマ鈴等も携行した方が安心です。


www.youtube.com

 

上高地をもっと深く知りたい方へ

上高地は登山家だけでなく多くの文豪にも愛され、芥川龍之介の「河童」など数々の名作の舞台として登場しますが、前述した「氷壁」はおすすめの一冊。

1955年に実際に発生した「ナイロンザイル事件」をモデルにした日本山岳小説における不朽の名作です。現在ほど観光地化の進んでいない昭和の匂いのする厳冬期の上高地を憧憬でき、旅行前に読んでから上高地を訪れると感慨ひとしおです。

 

また、現在の上高地の自然についてもっと知りたい方は、現地の専門ガイドの話を聞きながら散策をするのも良いと思います。

www.kamikochi.or.jp

 

まとめ

  • しっかりと計画準備をしたうえで、上高地の旅へ一歩を踏み出しましょう。

 

*1:開山祭前は営業開始していない施設が一部あります

*2:シャトルバス運賃(さわんど~上高地):大人〔中学生以上〕片道1,600円、同往復3,000円 ※子供運賃は半額

*3:1日2便で、上高地発の復路便の設定はありません