旧中山道67宿の丁度真ん中に位置する34番目の宿場町「奈良井宿」。*1
標高の高い難所・鳥居峠(標高1,197m)のふもとに位置するため、多くの旅人が休息や宿泊のために立ち寄り、かつてはその繁栄ぶりから「奈良井千軒」と称されるほど、多くの旅籠や茶屋が軒を連ねていました。
同じ木曽路の宿場町である妻籠宿とともに、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、現在でも約1kmにわたってノスタルジックな街並みが保存されている国内最長の宿場町です。
アクセス
奈良井宿は 現在の塩尻市(旧:楢川村)の奈良井川上流に位置します。
JR中央本線「奈良井駅」から南西方向へ徒歩2~3分の場所から街並みが始まり、駅からのアクセスは最高なのですが、なにぶん同駅には特急「しなの」が停車しません。
そのため、東京(新宿)方面からは塩尻駅、名古屋方面からは中津川駅または木曽福島駅で各駅停車の普通列車に乗り換えることになります。
もっとも、肝心の普通列車も1~2時間に1本程度しかないので、鉄道で奈良井宿へ旅行する場合は、乗り換える電車や帰りの電車の時刻にも注意して旅程を計画してください。

例えば、今年の6月6日(土)に新宿駅発で奈良井宿への鉄道旅行を企画する場合、新宿駅8時発の特急「あずさ」に乗車すれば、
- 塩尻駅に10時27分着 → 同駅10時49分発の中津川行き普通列車に乗換 → 奈良井駅に11時12分着
というように3時間12分で移動できるのですが、新宿駅9時発の特急「あずさ」に乗車してしまうと、塩尻駅での普通列車への乗換に時間がかかるため奈良井駅には13時4分着、実に移動時間が50分近く延びてしまいます。
なお、塩尻駅と奈良井駅の間は22km程度なので、東京方面からアクセスする場合は塩尻駅まで鉄道移動し、同駅からレンタカーやカーシェアを利用するのも一案です。
主な見所
奈良井宿の街並みは、基本的に奈良井駅付近から鎮(しずめ)神社付近までの一本道沿いに密集しています。
この区間はほぼ平坦で、道路も整備されているため、のんびりと散策しやすいです。


江戸時代から明治時代にかけて建てられた建物が多数残っており、宿屋や飲食店等として現役で使用中のものも多い奈良井宿。
当時の建物の主な特徴として挙げられる2階部分が1階よりも少しせり出した「出梁(だしばり)造り」。また、猿の頭が並んでいるように見える「猿頭(さるがしら)」と呼ばれる小屋根をおさえる独特な桟木も見られます。


有料施設となりますが、国の重要文化財に指定されている手塚家住宅(上問屋資料館)*2と中村邸は建物内部までじっくり見学できます。


中村邸を過ぎると、程なく奈良井宿の南端にある高札場と鎮神社が見えてきますので、見学後に奈良井駅へと引き返しましょう。


なお、時間が許せば、奈良井駅から少し坂をのぼった先にある杉並木と二百地蔵にも足を延ばしてみると、往時の中山道の雰囲気をより一層感じられます。

食事処など
奈良井宿は端から端まで往復しても、観光メインであれば1~2時間あれば十分です。
鉄道旅行の方は先に観光を済ませてしまい、帰りの電車の時刻に合わせて、食事やショッピングで時間調整をするのが良いでしょう。

じっくり食事をする時間がとれない場合は、木曽地域の郷土料理「五平餅」が手軽でおすすめ。
お店によって五平餅の形や味付けにも個性がありますので、見比べて気になったお店で食べてみましょう。

胃腸薬の「日野百草丸」で有名な信州の生薬メーカー・日野製薬も奈良井宿に直営店*3を構えています。
医薬品のほかに、生薬100%の入浴剤や健康飲料等のお土産にもしやすい商品も販売しています。
併設のカフェもありますので、百草丸の主成分となっているキハダ(ミカン科の落葉高木)の葉を使用したキハダ養生ソーダ等の店舗限定メニューを試してみてください。

奈良井宿場祭・木曽漆器祭
奈良井宿では毎年6月に「奈良井宿場祭」が開催されており、2026年は6月6日、7日の土日(9:00~16:00)に開催されます。

宿場祭のメインイベントは、最終日の正午頃に行われる「お茶壺道中」。徳川将軍家御用の宇治茶を茶壺に入れて中山道等を経由して江戸まで運ぶ道中行列を再現したイベントです。
宿場祭と同時開催される「木曽漆器祭」では宿場町内にある漆器店等でお買い得な価格の漆器が店頭に並びますので、漆器を探しながら、歴史ある街歩きを楽しむのに最適な2日間です。
まとめ
江戸風情かおる木曽路の奈良井宿をそぞろ歩き。
