7年に1度行われる勇壮な神事「御柱祭(おんばしらまつり)」*1で有名な諏訪大社。
全国約1万社あるといわれる諏訪神宮の総本社で、上社の前宮・本宮、下社の春宮・秋宮の四社で構成される独特な神社です。
東京(新宿)方面から松本方面へ旅行する場合には、移動手段が車(中央自動車道)であっても、電車(JR東日本・中央本線)であっても、道中に立ち寄りやすい松本近郊の名所です。
なお、諏訪大社の参拝順序に正式な決まりは特にないそうなので、今回は東京により近い順で、上社前宮・上社本宮・下社秋宮・下社春宮の順でご紹介します。
上社前宮
上社の前宮・本宮は、いずれも諏訪湖からやや離れた南西に位置し、公共交通機関でのアクセスは良くありません。
上社前宮*2の最寄り駅は茅野駅になりますが、同駅から約3km離れていますので、レンタカーやタクシーの利用を想定した方が良いと思います。
なお、カーシェア(タイムズカー)に関する別記事もありますので、あわせてご参照ください。
前宮は、諏訪信仰発祥の地と言われており、かつては諏訪大社の祭祀を司る大祝(おおほうり)の居館をはじめ、多くの建物があったとのこと。
ただ、現在はそのごく一部を残すのみのため、やや地味な印象はありますが、傾斜地の高台にあり、ご神水とされている水眼(すいが)の清流が心地よい素朴な神社です。

諏訪大社では社殿の四隅に御柱と呼ばれる大木が建てられ、御神体を安置する本殿がない点*3に大きな特徴がありますが、前宮のみ拝殿の後方に本殿があります。
また、四本の御柱を全て間近で見られるのも前宮のみで、社殿後方にある三之御柱、四之御柱も是非近くで見てみましょう。

また、前宮の境内にある「交流センター前宮」には御柱祭等の資料が無料展示されていますので、四社まいりの最初に立ち寄ると参考になります。

なお、旅程の都合上、前宮から参拝できない場合は、諏訪大社から公式に認定されているGPS連動型の多言語対応アプリ「Suwa Taisha NAVI」(開発:上諏訪温泉しんゆ)が、ガイドブック代わりになると思いますので、是非ご利用ください。
上社本宮
諏訪四社の中心と言ってよい上社本宮*4は、前宮から約2km北西にあります。
距離的な最寄り駅は茅野駅ですが、駅からバスを利用したい場合には上諏訪駅(本宮まで約6.5km)が最寄り駅となります。
もっとも、バスの本数が多くないうえに、乗車時間が最も短くてすむ「かりんちゃんライナー」が観光客の多い土日祝日に運休という不思議なダイヤですので、前宮と一緒に参拝する前提で、レンタカーやタクシーを利用する方が効率的です。

本宮を参拝する場合、大きな駐車場や売店等がある北参道を通ることが多いと思いますが、もともとの参道は東参道で、本宮の見所の一つの布橋(屋根のある木造の長い通路)の入口も東参道側にあります。

本宮には布橋のほかにも重要文化財に指定されている神楽殿等の建造物が多く残っており、本来は四社の中で一番見応えがあるのですが、現在は改修工事中のものがあります。

また、本宮の重要文化財の一つである幣拝殿は、改修工事中ではないものの、参拝場所から離れているため、幣拝殿の彫刻等をじっくりと観賞したい方は下社の方がおすすめです。

下社秋宮
下社の春宮・秋宮*5は、いずれも最寄りの下諏訪駅から徒歩圏内(約1km)にあり、公共交通機関のアクセスとしては悪くないのですが、下諏訪駅に停車する特急列車がごく一部なのが玉に瑕。
また、上社の前宮・本宮とは諏訪湖を挟んだ反対に位置するため、観光時間が半日程度しかない場合には、上社か下社のいずれかに絞った方が無難です。

さて、下社の秋宮ですが、秋以降(8月~翌年1月)に神様が鎮座することからその名称がつけられており、年2回、春宮と秋宮との間で遷座祭が行われます。
秋宮の鳥居をくぐって真っすぐ進むと、夜泣き封じのご利益があると言われるネイリの杉が見え、その奥に迫力のあるしめ縄がひと際目をひく神楽殿(重要文化財)と青銅製では日本最大と言われる狛犬があります。


神楽殿の奥に、御柱で囲まれた幣拝殿・左右片拝殿があり、見事な彫刻を間近で観ることができるとともに、幣拝殿の内側の2つの宝殿と秋宮のご神木(イチイ)も垣間見ることができます(ちなみに、春宮のご神木は杉です)。

秋宮付近は旧中山道と甲州街道が合流する宿場町・門前町であったほか、信州屈指の温泉街(下諏訪温泉)でもあり、外湯巡りも楽しめる風情のある街ですが、こちらはまた別の機会に詳しくご紹介したいと思います。

下社春宮
下社の春宮*6は、秋宮から北西方向に1kmほど離れた旧中山道沿いにあります。
かつて春宮と秋宮は同じ絵図を用いて別々の棟梁に社殿の建て替えを競わせたようで、幣拝殿の構造のほかにも、両宮には似通った点が見られます。

春宮特有の見所を挙げるとするなら、下社のなかで最も古い建造物と言われている屋根付き太鼓橋「下馬橋」。今でも遷座祭のときには、神輿がこの橋を渡ります。
下馬橋ですが、かつて春宮の専用道路であった「大門通り」の道中にあるため、春宮・秋宮間を旧中山道沿いに往復すると見逃してしまいますので、ご注意ください。

また、春宮の施設ではありませんが、岡本太郎(1911~1996)が絶賛したことで有名になった春宮から程近い「万治(まんじ)の石仏」も見逃せない観光スポット。
春宮の石鳥居(推定1659年(万治2年)建立)を作る際、この石を使おうとした石工がノミを打ち込んだところ、血が流れ出たために中止して、阿弥陀如来像を刻んだという言い伝えのある石仏です。

願い事を心の中で唱えながら、石仏の周囲を時計回りに三周して、最後に石仏正面で「よろずおさまりました」と唱える、という一風変わったお参りの仕方をするのですが、春宮とあわせて参拝してみてください。
まとめ
- 道中の無事の祈念かたがた四社まいりで御朱印集めはいかがですか(記念品がもらえますよ)。

